ドキュメントのラスタライズ効果設定が300ppiの場合でもApple Color Emojiが低い解像度でラスタライズされる
macOS Ventura / iMac27inch i5/32GB/1TB
Illustrator ver.28.3(カラーフォントに対応したバージョン全てで同様の挙動だと思われます。)
問題が発生したときに実行していた手順
1. テキストツールを使いアートボード上をクリックしテキスト入力モードに
2. 字形パレット上で任意の絵文字をダブルクリック
3. アートボード上のポイントテキストに絵文字が入力されるので、サイズを15pt程度に設定する。
4. メニューより「書式→アウトラインを作成」を実行する。
5. ビットマップ系のカラーグリフのフォントなのでビットマップに変換されるが、アウトライン前の表示に対して著しい解像度低下が起きる。
想定していた結果
アウトライン化後もアウトライン前と同程度の品質のビットマップとしてラスタライズされる。
実際の結果
72ppiでラスタライズした状態になる為、ドキュメントのラスタライズ効果設定にて300ppi等の高解像度設定を行っている場合、想定した品質のものにならない。
AppleColorEmojiフォントは各グリフをpng形式で持つカラーグリフフォントです。Illustratorはこのフォントを表示するために、当フォントが数種類内包するサイズ違いのStrikeの内のもっともピクセル数の多いStrike8を利用してレンダリングします。これは各グリフが160px×160pxのサイズで、上記の手順での表示品質を充分担保できるサイズと言えます。
しかし、アウトライン化の際、Illustratorはこのフォントが持つpngデータを利用せず、一律で「RGB/72ppi/アンチエイリアス無し」の設定でラスタライズします。そのせいで本来フォントが持つディテイルが失われます。「ドキュメントのラスタライズ効果設定」が300ppiの場合15piのグリフは60px×60px程度のサイズでラスタライズされることが期待されるのですが、72ppiで処理される為に半分程度のサイズとなります。
アウトライン化という意味では埋め込み画像を生成する際にフォントが持つpngを読み出して配置するのが理想であると考えます。しかし、ドキュメント解像度にあわせたラスタライズ処理を行うという処理も合理的ではあります。
いずれにせよ、データの品質を担保する意味でもドキュメントのラスタライズ効果設定に応じた処理をお願いします。
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Ten_A commented
イメージ追加しておきますね